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February 08, 2000

雨あがる

結局こっちも観たのである。見た映画全部書く理由も無いし、この映画についても最初はここに書くつもりはなかったんだが、やはり書くことにする。

この映画、まず冒頭に黒澤 明の写真が映し出されて、献辞がでてしまったりするんだがこれは最後にまわすべき類のものだろうと思う。
確かに黒澤の遺稿とも言うべき脚本を映画化した事は多くの観客が知ってはいると思うが、それでも映画全体としてみれば脚本家でしか無いわけだし、だからこそ純粋な一本の新作映画としてはじめるべきだった。

と、まあ初手からぼやいてしまったんだが、実は結構気に入ったんだよな。黒澤の残した覚書によると「見終って、晴々とした気持ちになる様な作品にすること」とあるらしいのだが、そのねらいは成功しているとおもう。たぶん黒澤が撮ったとしてもこんな風になったんではないかな、と思える出来だ。
物語はまあ、浪人が仕官するのしないのとそれだけで、話はあってないようなもんだといったら言いすぎだが、実際上映時間も短いし小品である。しかしスタッフは流石の黒澤組で、ディティールの凝り方とかはテレビとは一線を隔した映像だ。撮影の美しさも絶品。

剣豪の主役が寺尾 聡と聞いて実は「?」だったのだが、見て納得。実はこの役、言ってしまえば腰の低い三十郎。仮に三船とかだと、どうしたって偉そうに、強そうになってしまいそうで出来ねえんだろうなあって感じなんですな。志村 喬じゃある程度必要な若さが出ないしね。寺尾 聡は大健闘ですわ。
ところで三船と言えば三船の長男、三船 史郎が殿様役で出てくるんだが、これが結構はまっていて愉快。確かに映画でるのは28年ぶりってことで実質的に素人みたいなもんだが、声とかミフネのまんま。良く似てるんだわ。

ケレン味とかはそれほどないし、ゆるい内容だと言えばそれもそうかもしれんが、しかしあえてこの作品は支持したい。そんな気になった。

おっといけねえ、音楽についても書いておこう。黒澤映画ご用達(だった)佐藤 勝が久しぶりの登板で佐藤節を聴かせてくれる。ところが前述の「Q」ではないが、これまた昨年12月に急逝。なンだかねえ。

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