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May 27, 2000

子連れ狼(富三郎版)

なんだか時代劇好き親父の日記のようになっているなあ。というわけで一応素浪人もの、「子連れ狼・劇場版」である。ケーブルで放送されていた1作目から3作目を見て、あまりの凄さにおもわず口アングリとなってしまい、ここに登場と相成った。
「子連れ狼」といえばTV版のヨロキンのほうが有名かもしれないが、こちらは未見。劇場版はTVより先で、主役の拝一刀はスガイさんこと若山富三郎、監督は必殺シリーズなども多く手がけた時代劇の巨匠三隅研次(大魔神も一本撮ってる)。
さてこの映画まず驚くのが、富三郎といえば「東映」のスターであるのに「東宝」作品と言うことだ(正確に言うと勝プロ作品だが)。実際クレジットには若山富三郎(東映)と出てくる。だから何だってことはないんだけど、明るく楽しい最大公約数な映画の「東宝」というイメージからは甚だしく逸脱していて強烈。

で、このシリーズ殺陣がやたらとぶっ飛んでる。1作目「子貸し腕貸しつかまつる」からしてとにかくやたらと景気良く血飛沫が飛ぶ。血飛沫も飛ぶが首も飛ぶ。山さん(というか毛間内以蔵か。ってそんなもん誰も知らねえよ!)こと露口茂(出番が少なく実にもったいない使われ方)の首も見事に飛んでしまい、ビックリ仰天。あまりに見事に斬られたために斬り口から血飛沫があがる胴体がそのまま走りつづけるという絵が見られる。
一刀が振う水鴎流斬馬刀にて両足を切られた敵がこれまた斬り口だけ残して(つまり足は斬られた位置に立ってる…)胴体だけが倒れるというのも凄い。というかココまで来るとどこまでマジなのか判らなくなってクラクラしてくる。

2作目の「三途の川の乳母車」はほぼ全編闘いっぱなし。はっきり行ってこれはRPGの世界。拝一刀が乳母車を押して街道を進んでいると、次から次へと敵の刺客とエンカウントするもんで(必殺でおなじみ鮎川いずみとかもいたりする)とにかく良く闘う。
いかに一刀が強いとはいえさすがに傷つきダウンしたりもする。あげく大五郎を人質にとられて敵をののしるのだが、この男その大五郎を利用したもっと卑怯な作戦で相手を倒したりするので人の事は全然言えない(笑)。さすが冥府魔道。そんなこんなで小林昭二とか岸田森を倒すのがこの作品。大五郎も結構やるよ。(ちなみに劇場版の大五郎は逮捕されてませんのでお間違えなきよう。だがこれでTV版は二度と放映されないかもしれんな…)
しかしこの2作目で一番エグイ殺陣?は敵同士の殺陣で裏柳生VS黒鍬者である。あまりにエグイので文章にするのも憚られるほどだが…狂ってます。

ちなみに拝一刀は刺客を生業としとるので、それほど悪くなさそうな人も依頼キッチリで始末してしまいます。酷ぇ話だ(笑)。勧善懲悪なんつー言葉はこの世界通用しません。

3作目の「死に風に向う乳母車」も凄い。
浜木綿子が一刀に仕掛ける「ぶりぶり」もさることながら、大クライマックスの大殺陣はもはや殺陣というレベルではない。数百人(少し誇張(笑))の敵(飛び道具アリ)が待ち受ける荒野を乳母車一台押しつつ進む一刀。
しかしほとんど万能戦車と化した乳母車に敵は無いのだ。あっというまに敵は全滅(おい)。
そして今作最強の敵、大岡越前…ではなく加藤剛との決闘である。
この加藤剛の役もかなり変というか何つーか、色々悩んでいるのだが、冒頭で仲間の侍の暴行事件を見るや否や判断は速く、事件をもみ消すため被害者諸共バッサリ斬ってしまうのだ。酷い…

決闘の最後は一刀が元公儀介錯人の腕を存分に振るうのだが、ここの映像は介錯される加藤剛の視点(つまり転がる首の見ている景色ってことね)というぶっとんだもの。どうやって撮影したんだろう?
荒野に転がる加藤剛の頭という何やらシュールな絵から、若山自ら歌う主題歌(曲:かまやつひろし!)とともにエンド。

ストーリーはどの作品も細切れのエピソードをつなげたようなもんで、なんかダイジェストを見ているような感じだし、バカバカしいといえばその通りだが妙に新鮮な事も確かだ。さらに昔は珍しくない事ではあるが、この3作すべて同じ1972年の公開(実は4作目も)であるというのも当時の邦画事情がうかがえる。

来月はさらにシリーズ後半の3本が放映予定らしい…

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