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June 14, 2000

邦画2題

「クロスファイア」

ネタはバラしてないつもりだが…

人気作家宮部みゆきの小説を初の映画化。原作は新書で上下巻、さらに序章となる中編「燔祭」が存在するので大変長い話である。が、その一方でかなり地味な話でもあり、あまり映画化に向くタイプの話では無いような気がしていたので、金子修介がどう料理するのか興味深かった。

映画化と言う意味ではなかなか上手く原作を消化し、再構築している。削ってもよいところは削り、原作のエッセンスを失うことなく映像化にあたっての見せ場をどう用意するか、などかなり計算した痕跡がある。元々原作には多少の不満が無いでもない部分があるので、その意味ではいささか難点が無いでもないのだが、この時間できっちりまとめられては宮部みゆきも形無しだなあ。(とはいえ読んでいるからこそ理解できる点もあるのだろうが)

主役の矢田亜希子は主役を張るにしては地味なイメージだが、実はそこが役柄には合っている。(実に金子修介らしいキャスティング)
事件を追う女刑事に桃井かおりが扮していて、実はちょっと違う感じがしていたのだが予想を裏切るハマリぶりは見事。全般にキャスティングは上手かった。

大ヒットするタイプの作品ではない(是非見よう!という程では無いところがね…)し、表現が今ひとつとか、逆にやり過ぎのところもあるが、結果的に物まねって事で無く和製デッド・ゾーンといった風情。

また小説がもともとそういう話ではあるので、タイミングなどは狙ったわけでもなかろうに(狙えるはずも無いが)少年犯罪がキーワードの一つでもあり、時事ネタと繋がりを持ってしまった点は我が国の娯楽映画では珍しいかも。

ちなみに主人公の武器は炎。金子修介はよほど炎に縁があるらしい。
再びコンビを組んだ叙情的な大谷幸の音楽も邦画って感じ(これは誉めてるのよ)で○。

「千里眼」

今年はやけに邦画を多く見ている気がする。何はともあれエンターテインメント系が充実してきている傾向にあるのは良い事だ。

松岡圭祐の小説を映画化。こちらは未読だが、脚本も原作者が手がけている点が上と違うところ。大風呂敷な上、枝葉はハチャメチャだが話だけは派手である、というか派手なだけ。ワタクシ的には水野美紀が主演と言うことでなければそもそも見てない(爆)とはいえ、本当に原作もこんな適当な話なのか?原作者による脚本は良い場合もあれば、悪い場合もあるだろうが、たぶん後者になったんじゃないかね。
悪の秘密結社と戦う話であるが、だから東映なのかと妙な納得をしてしまう。そう思うと肝心の絵がいささかショボイのがさみしいところなのもまた納得したりして(嘘)。

一番の見所は流れからは浮いている格闘シーン。以前よりアクションをやりたいと少林寺拳法が特技という当人が言っていただけの事はあるし、実際驚いた。キャリー=アン・モスを当然のごとく凌駕する廻し蹴りは見事である。立ち姿にしても腰の入り方が違う。ここだけで銭払った価値はあった(俺だけだったりして(笑))。しかしこれだけ体を使った表現ができる逸材を生かせる舞台が我が国にはあまりなさそうなのが実に惜しい。往年の志穂美悦子(俺も古いな)以上の活躍であった。ただF15のパイロットという設定ながら、予算の関係か飛行シーンが無いのは残念だ。

こっちを見たらなんだか「クロスファイア」は物凄く良く出来ているような気がしてきた。

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