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October 06, 2010

七瀬ふたたび

筒井康隆による小説、七瀬シリーズ(三部作とも)の第二作の映画化。
原作は三部作とは言う物の最初から計画されていたとは思えず、それぞれ小説としての体裁はかなり異なる。特に第三部にあたる「エディプスの恋人」に至ってはかなりトンデモ話でもあるんだが、第二部の本作は筒井康隆らしからぬぐらいにオーソドックスな物語でもある。
そのぶん読了時に、結局こうなるしかないよな、という展開でもあるのだが。そこに今回の映画では若干のポジティブ要因を付加してみたなんて話を聞いたんで興味持った次第。

平成ガメラシリーズでその筋にはおなじみ伊藤和典の脚本で、冒頭からしてそうだけど随所にらしさが伺える。大筋では原作に忠実といって良いかと思うが、時系列を入れ替えたりするなどの工夫で単になぞる事をしていないため飽きさせない。もっとも原作読んでないとわからないかもという気がしないでもないが。
時系列の入れ替えについては回想シーンをモノクロ、現在進行形をカラーという演出で、これ自体は別段目新しくもないんだけど、最後まで見るとこれが意外に効いてくるのが上手い。さらに本来は原作において続編という事で「七瀬ふたたび」なんだが、この映画がの場合これ一本でもそのタイトルがちゃんと意味を持つように作ってあって、これまたちょっと上手いんだな。
忠実でありながら換骨奪胎ともいえ、原作よりはややポジティブな方向性が心地よい。それも無理矢理ではなく、原作にそもそもある要素にちょっとしたツイストを加えて利用する事でだ。要はオーソドックスにSFなわけですが、脚本伊藤和典、監督小中和哉による再構成、俺ならこうする的って感じだ。

ただ低予算の悲しさか肝心な場面での合成シーンのチープさは否めない。いかなCG時代と言えど予算なりの映像しか得られないのでしょうかねぇ。それにしてもなーというぐらいにチープなのが残念無念。

総じて好印象ではあるけれども。
ちなみにプロローグにてその昔NHKでのTVシリーズで主演を張った多岐川裕美が七瀬の母親役で出演してるとは知らなんだ。

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