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November 12, 2012

ヤマト音楽団大式典2012

宇宙戦艦ヤマトと言えば作品自体の毀誉褒貶はさておき(小生も「ヤマトよ永遠に」以降は知らん)、宮川サウンドの評価は揺るぎないものがある訳で、こいつを生で聴く機会はそうは無い。そんな訳でオケで聴けるという期待を胸にチケをとってみたならば実は吹奏楽団によるものと知り、若干のがっかり感もあったりなんかしてだ。
出来たばかりらしいコヤ、舞浜アンフィシアターにて11/10。昼夜2回公演だが、小生は夜を選択。
昼の部は知らんが、夜の部は客入りは7割ぐらい?かな。2000席ほどあるようだが、後方は少々空席が目立ちましてね。これはやっぱり舞浜というのが影響したんじゃないかしらん。
都内からすると微妙に遠いし、そこはかとなく漂うヤマトとネズミの食い合わせの悪さってのもあったりなんかして(笑)。何故に舞浜?

内容は三部構成でこんな感じ。トータル2時間強ぐらいか。
第1部/ヤマトサウンドの世界
第2部/2199 第11話先行上映
第3部/主題歌によるヤマトの世界

全体を通しての司会もおりまして、これがなんと料理の鉄人(アイアンシェフではないぞ)冷蔵庫前レポーターでおなじみ太田真一郎氏でした。

まず第1部。
最初に言ってしまうけど、実は宮川彬良トークショーでした...と言いたくなるほどにトークが多かったっす。概ねTVでおなじみの調子です。でトークの合間に生演奏みたいな(笑)。
演奏もコンサートピースとしてというよりはBGMサイズの再現なので基本短めなもんで。
ただ証言としては面白い話も色々あったのも事実ですかな。
例えば「イスカンダル」として知られるメロディはプロデューサーのオーヴァー・ザ・レインボウみたいな曲をというリクエストに応えたものだったとかね。言われてみるとハイハイなるほど。ちなみに意図的にか西崎Pという名前は出しませんでしたな。
今回の演奏は先に書いたように吹奏楽団総勢120名によるものでしたが、先に書いとくと個人的には折角120名集めるならば、弦を入れるべきだったと思う。
彬良氏曰く、「ヤマトと言えばシンフォニーと思われがちだが、本質はロックなんです」という事を強調したいがための編成でもあったようだが。例として演奏した「探索艇」なんかは実際豪華なブラスロック(何しろツインドラムでもあったし)ではあったけど、ロックという観点から言えば弦も入れてのシンフォロックという回答で良いじゃないかと思う訳で。
例えばヴォカリーズで有名な「無限に広がる大宇宙」。交響組曲でも序曲として冒頭を飾っているこの曲、オリジナルのTV版のサントラだとピアノの響きが意外にキモだったりもするんですが、今回のライブでもそこは宮川彬良自らピアノ叩いて交響組曲よりはオリジナルに寄せたアレンジで、それは納得なんだけどオリジナルも結局弦は入れてる訳でさ。
とはいえ生でヴォカリーズを聴けたんでここは満点つけるけどな!

さて2199のサントラというと問題はワンダバ。今回もライブで披露はあったがコスモタイガーのテーマとして有名な曲に冬木透調のワンダバつけたってやつな。
これは話を聞いたときからヒドイと思っていて、どういうことなのかと。
彬良氏のトークによるとチーフディレクターのたっての希望とのことだが、本人的には相当逡巡した様子。倫理的にどうなのかとか冬木氏に菓子折り持っていかねば等と冗談まじりのトーンだったが、おそらく本音なのは間違いない。本人から証言を聴いた今、音楽担当として断りきれなかったというのは理解できるんで彬良氏には同情しておる小生だが、これは注文する方が頭悪すぎです。いくらでも言います。アホです。
あのね、あの手の曲調なら極論何だってワンダバはのりますよ。でもね、これはウルトラじゃない。ウルトラシリーズで(MAXで広げても実写ヒーローの防衛隊的なところまでか?)冬木氏では無い音楽担当がリスペクト込みでやるのはまだしも、遺伝子的になーんの関係も無いヤマトでやる意味が全く分からない。
出来上がった曲の出来の問題じゃないんです。クリエイターとしての矜持の問題なんです。こういう馬鹿を押さえられない総監督もダメです。アホ毛の件といい「良い人」なんだろうねきっと。でも同じジャンルで言えばおそらく「良い人」ではない宮崎駿や富野由悠季、あるいは押井守のようなイデアは良くも悪くも無いんでしょう。
こんなんで喜んでるという事実の志の低さが全体の価値を貶めるんですよ。
自分で言うのもなんですが、'燃え'属性はあっても'萌え'属性は皆無の小生には理解できないけど、アホ毛の件は、商品として今におもねるという面からは必要悪とまだ言えなくもない。でもワンダバについては、必要悪すら無い。もう一度言いますが、クソです。これがプロのディレクションとして商品化されるというのはあきれ果てたとしか言いようが無い。

# 思い出したので追記。
問題のチーフディレクターさんだがね。仮に宮川泰が存命だったとしても同じディレクションができるんか?と問いたい。たぶん出来ないんじゃないの?

ちょっと怒りのゲージが上がりすぎてぜいぜいしてしまいました。
話もそれすぎました。

という訳で、第2部。その2199の第11話上映ですが、一応流れの中ではいろいろトークしたものが実際どう使われているのかを確認してみましょうてなエクスキューズ込みでの上映。
小生第1話を見ただけで、その後は知らない立場。正直なところ音楽もっと生で聴かせてくれという感じで、先行上映とか全くもってどーでもいー派というスタンスでして同意してくれる人がどの程度いるのかよくわかりませんけど。だもんで感想はカット。

最後の第3部では主題歌ということでまずはもちろん、ささきいさお70歳!の登場。
再び音楽を聴く趣向に戻ったんだが、残念なことに吹奏楽団は出てこずカラオケ。うーんせっかくの大編成をここで全く使わないのはもったいなさ過ぎだろ。ささきいさおは70歳と思うと驚異的。さすが。
「テレサよ永遠に」なんてのはムード歌謡まんまだなーとか思いつつ、オリジナルは八神純子によるラブ・シュープリームは(はじめて聴いたけど)先にすばらしいヴォカリーズを披露したYucca嬢が宮川氏によるピアノ伴奏で、という趣向だったのは良かったよ。
続いて2199のED曲が結城アイラ、美郷あきの二人によって披露。ここがカラオケになるのは半ば仕方ないんだろうな。というかここをカラオケにせざるを得ないために逆に吹奏楽団をカットしたのかもしれんなんて邪推。
最近の歌い手さんはバンド相手に歌ったことなさそうな事も普通にありそうなんでねえ。

で、最後は会場全員起立とともに楽団も再登場して、全員で主題歌を合唱して終了でございます。ここはYucca嬢が例の「あーあー」を生でつけてくれまして、またしてもいい仕事。しかしなんですな、これ完全に我々世代の軍歌だなー。

欲を言えば最後にアンコールで「元祖ヤマトのテーマ」(エレキのカッティングで始まるアレな)があれば良かったが、これこそ弦が欲しい曲だからなァ。

今回カメラ入ってたが、ソフト化もあるのかね。
これはこれとして、やはりフルオケの機会が欲しいところだ。



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