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June 02, 2013

遊星からの物体X ファーストコンタクト

原題はThe Thingでカーペンター版と同じ。カーペンターの82年版は、その後の大小さまざまな影響を考えると映画史に残るのはもちろん、サブカル史的にも欠く事できない最重要作の一本。
重要って言葉は便利だねしかし、傑作か?と問われると何だが重要な事は間違いないもんで。言っとくけど小生カーペンター派ですからね。

80年代の重要作と言えばもう一本「ブレードランナー」も外せないが、あれだって傑作かというとナニでしょうが。

ともかくカーペンターというとメインストリーム的には過小評価も甚だしいが、サブカル界への影響という意味では「ニューヨーク1997」と「物体X」という2本だけでもどれだけかと。「物体X」に関してはロブ・ボッティンの貢献が大きい事は言うまでもないけど、映画自体は間違いなくカーペンター印濃厚なワケでね。
なにしろ音楽界の巨匠モリコーネすらベンベンしちゃってるしさ。あのテーマはモリコーネの膨大な作品群の中でもかなりの異色作なんじゃないかなァ。少なくともモリコーネのコンサートとかじゃ絶対セットリストに入りそうにない(やったらある意味バカウケしそうだが…)。

そんなカルト作のリメイクというか続編というかプリクエルというのはかなりのチャレンジ。
ノルウェー隊に何があったのかというところを膨らませてというストーリーだが、さすがにノルウェー隊だけじゃ観客がついてこないと思ったか、アメリカ人をゲストで調査隊に紛れ込ませてます。
82年版を見てる観客にしてみりゃいまさらネタバレも何もありゃしないんで遠慮なく書きますが、話はほぼ同じです。結果的にはプリクエルっちゃプリクエルなんだけど、リメイクっちゃリメイクみたいな微妙な感じで、主人公を女性にしてる程度ですかな。82年版の徹底した「野郎映画」との差別化か、ポリティカルコレクトネスな時代の流れというところか。
82年版に繋がるいろいろな小ネタを解決して、最後を82年版の冒頭につなげてベンベンという、リスペクトあふれるつまりはファンムーヴィー。これがニーズがあるのかというと積極的に評価する気には正直なれんのだが。
映像表現も今の方がCG駆使できる分、制約は少ないけどアナログ感満点の82年作より驚きがあるかというとそうでも無い。そもそも82年版の衝撃は今まで誰も見た事も無かったクリーチャーデザインにもあった訳で、当時と同じようなものを今見てもそりゃ、あらためての衝撃は無いわな。もっとも本作のクリーチャーもアナログ中心でCGで補完みたいな感じだったらしいけど。
犬、クモ、お腹パッカーンみたいな82年作の記号化して記憶できるほどのインパクトが少ないのが原因か。CG時代の見せ物映画のあり方はこの映画に限らず難しいものであります。

しかし宇宙船を見ると相当な科学力を有し、それなりの知性もある(はず)エイリアンなのに、ここまで少しも共存というか共感できないエイリアンも異色であります。もっとも宇宙船の持ち主と物体Xの出自は違う可能性もあるけど。
良く言われる事だけど82年というのは「E.T.」が大ヒットを飛ばした年でもあって、この両極端ぶりが凄いよね。
ちなみに82年公開当時劇場に見に行った際、一人で見に来ていたどこぞのお姉サンが途中で出て行ってしまった事が思い出されます。そもそも何でこの映画を見ようとおもったのだろうか...

ファンムービーとしてみれば合格点だが。

もはや古典のオリジナルを超えるはずもなし。

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