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February 2016

February 07, 2016

オデッセイ

しょっぱかったプロメテウスに続いてリドリー・スコットが宇宙モノを映像化。
と言ってもこっちはかなり現実の延長線でSFとはいえFICTIONよりはFACT寄り。
原作は既に読んでいて、これが相当に面白くってねえ。古くはクラークの「渇きの海」あたりから連なる宇宙サバイバル物の新たな傑作。
何より一人称の語り口が何かとジョーク交じりで軽快なのだ。なので映像化は素直に期待はしていたけれども、実際んところ地味な話になりかねん恐れもなくはなかった。なんでオデッセイという邦題になったのかは、やっぱり「2001年〜」からの拝借でしょうかねえ。
現題は「THE MARTIAN」で翻訳では「火星の人」と上手いこと訳してるけど、これじゃあ今時の映画タイトルとしてはちょっと難しいのもわからんでもないが。













完成品を見てみれば、リアルな火星の風景だけでも十分に見応えはあって、映像的には退屈することはない。宇宙船エルメスの描写だけでも「2001年宇宙の旅」からの進化が感じられて楽しい。
しかし一方でかなりの長編でもある原作には140分の尺でも足りないのは否めない。確かに基本的にはトラブル発生→解決の連続なわけで半ばルーチンワーク化してしまうのはこの手の作品のある種の弱点ではあるのだが、小説ではていねいに描写できる分、そこに至るプロセスの面白さや納得感が高いのだけども、実は映像だけで描写するのは非常に難しい点でもある。だもんで淡々としすぎなんだよな。
原作で小生が特に盛り上がりポイントと思っている、主人公の生存確認、パスファインダー確保と再起動のくだりなんかも実に「アッサリ」。あと宇宙飛行士を評して「宇宙飛行士だからな」「宇宙飛行士ですからね」みたいな尊敬と揶揄まじりの会話が二回ほど出てきたように思うのだが、そこもカットか〜てな感じで原作ファンからすれば必ず出るであろう、あれもこれもが結構あったのは否めない。
一難去ってまた一難みたいな原作にはTVシリーズの方が向いてたろうなあと思わずにはいられなかったかね。

ラストは映画的改変で一種のアナザーストーリーだったのはアリでしたかね。
キャストで言えば「インターステラー」と配役がクロスフェードしてるのが妙に可笑しいが、とりあえず主人公はマット・デイモンと聞いた時点で100%の納得感はあったけど、思っていた通りのハマりっぷり。これから宇宙に取り残される飛行士役は全部やればいいと思います。リッチー・パーネルのキャラは原作以上に立っていて良かったな。

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